特集 血流感染症の抗菌薬選択―救命のためのターニングポイント
◉血流感染症治療における抗菌薬選択のターニングポイント―感性・耐性から考える
①黄色ブドウ球菌
-―MSSA・MRSA
松田 直之
1
1名古屋大学大学院医学系研究科 救急・集中治療医学分野 教授
キーワード:
黄色ブドウ球菌
,
メチシリン耐性
,
MSSA
,
MRSA
,
抗菌薬
Keyword:
黄色ブドウ球菌
,
メチシリン耐性
,
MSSA
,
MRSA
,
抗菌薬
pp.9-16
発行日 2019年3月10日
Published Date 2019/3/10
DOI https://doi.org/10.34426/kk.0000000012
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Summary
ブドウ球菌属(Staphylococcus属)は,36菌種19亜種に分類される。コアグラーゼ産生能により,コアグラーゼを産生する黄色ブドウ球菌とコアグラーゼ陰性ブドウ球菌(CNS)に分類される。これらは,メチシリン耐性化が進み,MRSAやMRCNSの分離が一定数に認められる。ブドウ球菌菌血症が疑われる状態では,血液培養検体を2セット以上採取した後,1時間以内の直ちに,抗菌薬を投与することが必要である。ブドウ球菌に対する抗菌薬の選択では,MRSAリスクを評価し,抗MRSA薬を用いるかどうかを決定する。抗MRSA薬として,本邦ではテイコプラニン,バンコマイシン,リネゾリド,ダプトマイシン,アルベカシンが承認されており,これらの有効かつ適正な使用が期待される。
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