特集 病態から考える薬物療法
第XIV章 細菌感染症
1 伝染性膿痂疹
馬場 直子
1
Naoko BABA
1
1神奈川県立こども医療センター,皮膚科
キーワード:
黄色ブドウ球菌
,
水疱性膿痂疹
,
メチシリン耐性黄色ブドウ球菌
,
MRSA
,
MSSA
Keyword:
黄色ブドウ球菌
,
水疱性膿痂疹
,
メチシリン耐性黄色ブドウ球菌
,
MRSA
,
MSSA
pp.895-900
発行日 2022年4月20日
Published Date 2022/4/20
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000003287
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黄色ブドウ球菌によって生じる水疱性膿痂疹と,レンサ球菌によって生じる痂皮性膿痂疹の2種類あるが,とびひとよばれているもののほとんどは黄色ブドウ球菌によって引き起こされる水疱性膿痂疹のことである。初めは透明な水疱ができ,それが急速に拡大し,中が濁って膿疱となることもあるが,すぐに破れて周囲および遠隔地に次々と新しい水疱を作る。水疱が破れてびらんとなった部位は乾燥して薄い痂皮を付着する。痂皮がすべて取れて上皮化すれば,治癒と判断する。通常,発熱やリンパ節腫脹などの全身症状はほとんど伴わず,しばらくは紅斑や軽度の色素沈着となるが,瘢痕を残さずに治癒する。
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