Special feature 耐性菌の最新動向・感染対策とAST
■耐性菌の最新発生動向と感染対策のポイント
❼多剤耐性緑膿菌(MDRP)
森島 雅世
1
,
荒岡 秀樹
2
1国家公務員共済組合連合会虎の門病院臨床感染症科
2国家公務員共済組合連合会虎の門病院臨床感染症科 部長
pp.271-275
発行日 2023年10月15日
Published Date 2023/10/15
DOI https://doi.org/10.34426/ict.0000000426
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)は,水,汚水,土壌,野菜など環境に広く常在するグラム陰性桿菌である。健康なヒトから分離されることは少なく,健康な宿主の常在細菌叢には通常含まれないと考えられているが,医療曝露歴や基礎疾患のある患者の腸管内などに保菌を認めることがある。病院外では加湿器やプール,水害で浸水した住宅などにみられる。病院内ではシンク,浴槽,トイレなど主に水まわりの湿潤環境から分離され,人工呼吸器,内視鏡器具,注射薬やコンタクトレンズ洗浄液,清掃用具などの汚染につながる。表面にバイオフィルムを形成して長期に定着し,院内の水場や医療器具を介して水平伝播し,アウトブレイクの原因となる。
Copyright © 2023, Van Medical co., Ltd. All rights reserved.