Special feature 確実な供給のための最良の再生処理・単回使用
■Statement
感染制御における再生処理の重要性
-―最新ガイドラインから読み解くチェックポイント
水谷 光
1
1社会医療法人愛仁会千船病院 麻酔科主任部長/手術中材センター長 第1種滅菌技師
pp.181-185
発行日 2022年7月15日
Published Date 2022/7/15
DOI https://doi.org/10.34426/ict.0000000320
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本稿で述べる再生処理つまり洗浄・滅菌の対象は,主に手術器械としたい。そのため,題に掲げた感染制御とは,手術部位感染(SSI:surgical site infection)の予防である。手術では,本来無菌の体内組織にまで操作が及ぶ。消毒や滅菌の概念が生まれる前から,手術は行われてきた。消毒していない皮膚を切り,滅菌していない器械で手術したのである。術者は素手であった。当然ながら術後にSSIは必発で,敗血症から回復する体力と幸運を持ち合わせた患者だけが生き残った。輸液も抗生剤もない時代である。約140年ほど前に消毒や滅菌という手術医療における大発見があり,手術野に触れる物はすべて滅菌されていなければならないことがわかった。
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