Special feature スマートな実践のための汚物処理ソリューション
■Basic 汚物処理室のマネジメント
❷日常管理のポイント
-―汚物処理室の環境整備と環境調査
有村 尚子
1
1鹿児島大学病院 感染制御部 副看護師長 感染管理認定看護師
pp.28-33
発行日 2022年1月15日
Published Date 2022/1/15
DOI https://doi.org/10.34426/ict.0000000284
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
汚物処理室は,血液体液の処理や感染性廃棄物が保管され,病棟内で最も汚染度が高い拡散防止区域に分類されている。一方で,使用後の尿器や便器の洗浄消毒の実施や,これらを含む汚物処理関連物品が保管され,清潔と不潔が交差しやすい場所でもある。さらに,尿や便の廃棄により薬剤耐性化した腸内細菌,洗浄用シンクや手洗い場の水回り環境を好む薬剤耐性菌の温床となりやすい。カルバペネム耐性腸内細菌目細菌や多剤耐性緑膿菌などのグラム陰性桿菌は,汚物処理室の環境や尿器などの物品を介して伝播する可能性が報告されている。よって,汚染された環境や物品,手指を介した医療関連感染を防ぐために,清潔と不潔を明確に分けた環境整備や日常清掃,手指消毒の徹底が重要である。
Copyright © 2022, Van Medical co., Ltd. All rights reserved.