Special feature スマートな実践のための汚物処理ソリューション
■Basic 汚物処理室のマネジメント
❶設備設計のプランニング
-―汚物処理室の構造と大型機器・シンクの配置
富田 学
1
1東邦大学医療センター大森病院 感染管理部 主任 感染症看護専門看護師
pp.22-27
発行日 2022年1月15日
Published Date 2022/1/15
DOI https://doi.org/10.34426/ict.0000000283
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汚物処理室の設備設計を考える機会は,病院の建築や改修時に限られる。汚物処理室は主に尿や便といった排泄物で汚染された物品を取り扱うため,グラム陰性の薬剤耐性菌の伝播リスクにつながる恐れがある。現在日本で問題となっている代表的なグラム陰性の薬剤耐性菌はCRE(カルバペネム耐性腸内細菌科細菌)であり,感染症を発症するとカルバペネム系抗菌薬が効きづらく治療が難しい上に,腸管内に定着する特性を持つ。このような腸管内に存在する微生物は発見が遅れ,病棟に伝播する危険性があるため,排泄物の管理は潜在的な感染リスクがある。汚物処理室で汚染された尿器や差し込み便器を処理するために大型機器や各種シンクを設置する必要がある。そのためには機器やシンクを配置するスペースや,配管も定めておかなければならない。汚物処理室ができた後にこれらを検討してもスペースが足りなかったり,配管の位置が合わないといった課題が出てくる。
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