Special feature ハイリスクと闘う新生児医療の感染対策
■Practical 新生児医療の感染対策の実際
―他領域との違いの視点から
❸隔離対策
-―アウトブレイク時の対処方法
井石 倫弘
1
1社会福祉法人石井記念愛染園附属愛染橋病院 小児科 副部長
pp.318-323
発行日 2021年10月15日
Published Date 2021/10/15
DOI https://doi.org/10.34426/ict.0000000269
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新生児集中治療室(NICU)においてはメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)を代表とするグラム陽性球菌や基質特異性拡張型βラクタマーゼ(ESBL)産性大腸菌といったグラム陰性菌だけでなく,ウイルスもアウトブレイクの原因となりRSウイルスやロタウイルス,エンテロウイルス,A型肝炎ウイルス,アデノウイルス,インフルエンザウイルス,ノロウイルスなど,多岐に渡る。ウイルスに関しては私たちが小児科の一般診療で目にする病原体が多く含まれるが,そのような病原体がNICUにおけるアウトブレイクの原因となることを知っておくべきである。普段検出されることのない呼吸器ウイルスや腸炎ウイルスが検出された場合は,1例検出されただけでもアウトブレイクとして対応する必要がある。本稿では愛染橋病院(当院)の回復期治療室(GCU)におけるRSウイルスのアウトブレイクとNICU・GCUにおけるロタウイルスのアウトブレイクの経験を中心に述べる。
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