Special feature ハイリスクと闘う新生児医療の感染対策
■Practical 新生児医療の感染対策の実際
―他領域との違いの視点から
❹看護ケアの感染管理
-―皮膚ケア・口腔ケア・授乳ケア
平岩 美緒
1
,
北岡 真理奈
2
1日本赤十字社愛知医療センター名古屋第一病院 看護部 看護副部長/NICU・GCU看護師長 新生児集中ケア認定看護師
2日本赤十字社愛知医療センター名古屋第一病院 NICU・GCU
pp.324-328
発行日 2021年10月15日
Published Date 2021/10/15
DOI https://doi.org/10.34426/ict.0000000270
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新生児は,経胎盤的受動免疫が少ない時期での出産や,免疫機能の未熟性から容易に感染を起こしやすく,急激に重症化しやすいと言われており,各施設で新生児集中治療室(NICU)環境を含む感染対策を重要視し,独自に努力をしてきた。米国疾病管理予防センター(CDC)が感染対策のガイドラインを公表し,全国の病院が医療関連感染対策を実践する時代となり,新生児医療の感染対策は,院内の感染対策とエビデンスに基づき強化されている。正期産を含む新生児の感染管理は感染予防が原則にある。母親固有の正常細菌叢を児に積極的に定着させる早期皮膚接触や,母乳哺育により母乳を口腔へ塗布することで口腔内の嫌気性菌や腸内のビフィズス菌の定着を図るケアは,他領域にない非常に特殊な感染予防のケアである。さらに特徴的なのは,感染予防のためのケアはそれだけに留まらず,児の成長・発達促進や親子関係の形成に大きく影響を及ぼしていることである。
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