Special feature 知る・学ぶ・実践する 水回りの感染制御
■Case アウトブレイク事例を知る―発生から終息までの実際
❸レジオネラ
磯目 賢一
1
1地方独立行政法人神戸市民病院機構神戸市立西神戸医療センター 感染防止対策室 室長
pp.268-272
発行日 2020年10月15日
Published Date 2020/10/15
DOI https://doi.org/10.34426/ict.0000000154
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
はじめに
神戸市立西神戸医療センター(当院)では2019年にレジオネラ肺炎の院内感染を単発例に認め,給湯系汚染が判明したことから対策を行い,これを報告した1)。緊急対策として加温によるレジオネラ除菌を開始したが,レジオネラ除菌法は施設ごとの排水管構造,規模,管内レジオネラ汚染の程度などで左右され,国内に明確なガイドラインはない。レジオネラ院内感染の問題は給湯系汚染のような短期的な問題だけでなく,配管内のバイオフィルム形成を念頭においた長期的な対策,水質管理や検査法,他の免疫低下者や病院職員への感染の危険など多岐にわたり,関係各所との連携が不可欠である。当院の事例について述べたいと思う。
Copyright © 2020, Van Medical co., Ltd. All rights reserved.