Special feature 一人ひとりの管理と実施で解決 手指の健康と手指衛生
■Department 場所別『手指衛生の5つのタイミング』の実践
❸透析室・透析クリニック
帯金 里美
1
1社会医療法人駿甲会 コミュニティホスピタル甲賀病院 感染対策室師長 感染管理認定看護師
pp.222-227
発行日 2020年7月15日
Published Date 2020/7/15
DOI https://doi.org/10.34426/ict.0000000140
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はじめに
2018年末の日本の透析施設数は4,458施設(日本透析医学会統計調査報告書)あり,無床診療所から大学病院まで様々な形態の医療機関による透析治療が行われ,形態の異なる施設の診療の実態や扱う器材により,透析室ごとに独自の感染対策が実施されている。
「手指衛生」の目的は,病原微生物の感染経路を断ち切るためのものであるが,透析室の感染対策を考える時,継続的に透析を実施している患者がいることが前提になっている。そして,同じフロアに医師をはじめ,看護師,臨床工学技士,看護補助者,クラークなどの多職種が交差しながら,それぞれの業務にあたっていることも大きな特徴である。
病室,心血管検査室,手術室などは,患者1人に対し限られた職員で対応するが,透析室は同時に多くの患者が観血的な透析治療を受けているとともに,無資格者を含む多くの職員が関わる感染リスクが高い部署である。
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