特集 小児リハビリテーションの5W1H─超少子時代を迎えて
第3章 小児リハビリテーションの実践
Column 小児理学療法の担い手の確保ーどこでも誰もが専門性の高い理学療法を受けられるために
中 徹
1
1アール医療専門職大学
pp.1361-1363
発行日 2025年11月25日
Published Date 2025/11/25
DOI https://doi.org/10.32118/cr034131361
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人口減少社会と2040年問題への意識
本コラムの前提として,リハビリテーション・小児理学療法は,社会保障の一端としてその役割が成立し,利用者に貢献していることを振り返り,認識するところから始めたい.
わが国は2007年より65歳以上の高齢者の割合が人口の21%を超える超高齢社会に,1995年より合計特殊出生率が恒常的に1.5を下回り,2024年では1.15と過去最低を記録し超少子化社会に突入している 1).このことは,高齢者人口の自然減を想定すれば,わが国が人口減少社会に突入したことを示していると考えてよいであろう.人口減少社会の様相は多岐にわたるが,労働人口の減少や社会保障基盤の不安定化,大都市圏への人口移動等の地政的な変化に直結し,国民の生活に多大な影響を与えるものである.リハビリテーション・小児理学療法も,少なからずこの影響を受けている.
これらの複合的な変化が群発し問題が顕在化するのが,団塊ジュニア世代が65歳以上になるいわゆる2040年問題である.ここ20年の少子化の勢いがただちに止まるとは考えられないため,現在からすぐ先の未来であると認識せざるを得ない.
この影響はわれわれの想定をはるかに上回る規模で進行しており,相応の体制を整える局面にある.その対策を,本コラムにて解説する.本コラムが日常のリハビリテーションを通して,利用者の幸福感につながることを期待したい.

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