特集 誤嚥性肺炎とリハビリテーション
第3章 誤嚥性肺炎の治療
Column 嚥下機能と亜鉛
土屋 誉
1
1仙台市医療センター仙台オープン病院 消化器外科
pp.717-719
発行日 2024年6月25日
Published Date 2024/6/25
DOI https://doi.org/10.32118/cr033070717
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亜鉛は体内に約2g存在する必須微量元素で筋肉に約60%,骨に20~30%と多く含まれているがすべての組織に分布している.血液中には1%ほどしか存在しておらず赤血球に約80%,白血球に約3%,血清に約20%含まれている.血液中では亜鉛の多くはアルブミンと結合している.血清亜鉛値の基準値は80~130 µg/dlとされているが,日内変動があり早朝空腹時に高く,午後になると低下する.亜鉛は300種類以上の酵素活性に関係しており,すべての細胞の正常な活動に不可欠である.また鉄におけるフェリチンのような貯蔵蛋白がないとされており,毎日の推奨量の摂取が必要である.亜鉛不足に陥ると味覚障害のみならず皮膚炎,貧血,下痢,食欲低下,発育障害,生殖機能不全,創傷治癒遷延,易感染性等,多彩な症状が出現する.
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