特集 誤嚥性肺炎とリハビリテーション
第2章 疾患病態別の誤嚥性肺炎予防
Column 在宅訪問管理栄養士
伊藤 清世
1
1医療法人社団 静実会ないとうクリニック
pp.688-690
発行日 2024年6月25日
Published Date 2024/6/25
DOI https://doi.org/10.32118/cr033070688
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はじめに
在宅訪問管理栄養士とは,2011年度に始まった認定制度で「在宅療養者や家族の生活に寄り添い,QOLを向上させることができる技術を持った食・栄養の支援者」 1)とされ,一定の経験を有する管理栄養士が,定められた学習を修了させた後に,試験に合格することで認定される.
在宅訪問栄養食事指導(以下,訪問栄養食事指導)は,通院が困難な方の自宅を管理栄養士が定期的に訪問し,食事や栄養の助言等を行うもので,病態によって決まる指導とは異なる「オーダーメイドの食支援」であると考えている.その人の自宅にあるもので調理や食べる環境の工夫をし,生活環境や本人の嗜好に応じた解決策を一緒に考えたり,時には介護者と一緒にキッチンに立ち,調理を行ったりすることもある.つまり訪問リハビリテーションや訪問看護の栄養士版,と表現してもよいだろう.
近年,医療に求められる機能と役割は大きく変化し,在宅医療のニーズが高まっている.高齢者が住み慣れた地域で最期までその人らしい生活を送るためには,適切な食・栄養支援は必須であり,その支援を栄養の専門家という立場から実践するのがこの制度の目的であると筆者はとらえている.
訪問栄養食事指導は介護保険,医療保険のどちらを法的根拠としても実施できるが,筆者の場合は,高齢者,特に後期高齢者の支援が多数を占めるため,これまで経験した対象者のすべてが介護保険利用であった.
制度についての詳細は,日本在宅訪問栄養管理学会のホームページ 1)を参照されたい.
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