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特集 骨転移のリハビリテーション─update
骨転移がある患者の"生きる力"を支える看護─その人らしさとエンパワメントの視点から
Nursing to Support the Will to Live in Patients with Bone Metastases:Perspectives on Individuality and Empowerment
長谷川 友美
1
Tomomi Hasegawa
1
1地方独立行政法人奈良県立病院機構 奈良県総合医療センター
キーワード:
骨転移キャンサーボード
,
患者力
,
その人らしさ
,
意思決定支援
Keyword:
骨転移キャンサーボード
,
患者力
,
その人らしさ
,
意思決定支援
pp.815-821
発行日 2025年7月15日
Published Date 2025/7/15
DOI https://doi.org/10.32118/cr034080815
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内容のポイント Q&A
Q1 看護からのアプローチと注意点は?
がん治療の進展とともに,骨転移がある患者への看護には疼痛緩和にとどまらず,ADLの維持,多職種連携,意思決定支援等,多面的な対応が求められるようになった.「患者力」を引き出すには,患者が痛みを安心して表現できる関係性を築くとともに,「どこまで動けるか」「誰に相談すればよいか」を看護師自身が見極め,適切な支援につなげていく視点が重要である.
Q2 骨転移に関するキャンサーボード(CB)での看護のかかわりは?
骨転移キャンサーボードでは,多職種で患者の語りを起点に治療と生活を統合的に検討することが重要である.看護師は単なる情報提供者ではなく,日々のケアを通して得た患者の声や表情を他職種に伝える「対話の媒介者」としての役割を担う.患者にとって何が優先されるべきかを見極め,多職種と共有する力が,看護師の専門性として求められている.
Q3 自宅での至適生活を送れるようにするための支援は?
骨転移がある患者にとって,自宅での療養は「生活を自分で選び取る場」でもある.看護師は,患者の動線やこだわりをふまえた生活環境の調整,日々の動作の中での安心感の積み重ね,リハビリテーション専門職や多職種との連携を通じて,"その人らしい生活"を形にしていく役割を担う.医療の枠を超えた「暮らしの支援」が,患者の希望と自立を支えていく.

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