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第1土曜特集 痛み――慢性痛研究の最近の話題と将来展望
治療
痛みを伴う転移性骨・軟部腫瘍の最近の話題
Recent topics in painful metastatic tumors
木下 英幸
1
Hideyuki KINOSHITA
1
1千葉県がんセンター整形外科
キーワード:
転移性骨・軟部腫瘍
,
がん性疼痛
,
骨転移キャンサーボード
Keyword:
転移性骨・軟部腫瘍
,
がん性疼痛
,
骨転移キャンサーボード
pp.94-101
発行日 2021年7月3日
Published Date 2021/7/3
DOI https://doi.org/10.32118/ayu2780194
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がんの骨転移では痛みを伴うことが多く,痛みのメカニズムとしては,がん細胞から誘導されるさまざまな因子により,直接および間接的に破骨細胞が活性化され,骨吸収が促進されることにより酸性環境となり,神経終末に存在するacid-sensing ion channel 3(ASIC3)受容体やtransient receptor potential vanilloid 1(TRPV1)受容体が活性化することにより痛みを感知する.これらの受容体を標的とした薬剤は骨由来のがん性疼痛の新規治療薬となりうる.また,実臨床でのがん性疼痛の治療としてはオピオイド内服や放射線治療,骨修飾薬(BMA)とともに整形外科的手術も積極的に行われており,それらを含めた集学的治療が重要となる.本稿ではこれらについて複数の症例を提示し,それぞれ考察したい.さらに近年,多施設において骨転移キャンサーボードも開催され,その重要性や当院でのキャンサーボードの詳細についても概説する.
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