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内容のポイント Q&A
Q1 作業療法からのアプローチと注意点は?
切迫骨折,切迫麻痺等,骨転移特有のリスクに注意する必要がある.また,がん治療の予定や生命予後等も考慮し,多職種で総合的な方針を見据え,目標を共有する.骨転移による障害は外傷と異なり,時間経過とともに変化することや,不安定性により安静や愛護的動作が必要なことがあり,患者の立場からは理解しにくいことが多い.病状の説明に合わせて,生活上での注意点等,場面ごとに応じた詳細なサポートが必要となる.
Q2 脊椎骨転移で脊髄損傷を伴う場合の生活機能への影響は?
全身状態,骨転移部の疼痛,麻痺の程度や不安定性等を考慮する.病巣は孤発とは限らないことにも注意する.医師の安静度指示に従い,病巣部位になるべく力学的負担をかけない方法で,目標とする動作が行えるよう検討していく.基本的には病巣部位の過度な屈伸・回旋動作を控えるようにし,治療と並行した計画を行う.外傷性脊髄損傷と異なり,脊髄障害の責任病巣部位の状態が変化する可能性もあるため,経時的なフォローが必要となる.
Q3 骨関連事象等で痛みがある場合のアプローチは?
動くことで症状を悪化させてしまうリスクを多職種で共有し,動作の範囲を検討する.痛みについては,病変そのものへの治療(手術,放射線治療,化学療法等)と薬物療法による疼痛コントロールが治療の主座となり,その治療効果の出現時期を共有しながら進めていく.動作時痛については,活動可能な範囲内で,動作方法や環境の調整,課題の変更等を用いて,痛みが出現しにくい方法を患者とともに検討していく.
Q4 生活の再建や自宅復帰への援助は?
病状の正確な把握,活動によるリスクに加え,患者の希望や生活背景を考慮し,なるべく制約を少なくしながら,安全に普段の生活が継続できることを支援していく.日常生活動作以外にも,就労・修学や,余暇活動,通院や治療継続に伴う移動方法の検討等,生活に含まれるすべての活動を網羅していく.また,優先順位の決定には,患者報告型評価指標(Patient Reported Outcome;PRO)を使用することもある.

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