特集 その人らしい生活を支える透析看護
1.概論(2)透析患者のその人らしさを支えることの意味
三村 洋美
1
,
西村 美里
2
1昭和大学大学院保健医療学研究科
2昭和大学保健医療学部看護学科
キーワード:
透析患者
,
自己価値
,
自己概念
,
その人らしさ
Keyword:
透析患者
,
自己価値
,
自己概念
,
その人らしさ
pp.1337-1342
発行日 2019年10月10日
Published Date 2019/10/10
DOI https://doi.org/10.19020/CD.0000001073
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透析患者が治療をしながら日常を生きるなかで,その人らしく生きていくことは,当然のことであるが難しいことでもあると考える.その人らしくあるというのは,今の自分自身は自分の価値や信念を基にして存在しており,自分のなかに一貫した自分であるという認識ができている状態といえる.また,自分のもつ独自性も発揮できており,さらに他者から見られている自分にも納得でき,尊厳ある自分であると思えることが,その人らしくあるということであろう.看護師をはじめとする医療職者は,透析患者がその人らしくあることを自ら思考し,その人らしく生活できるように支える役割を担っている.ケアを通して常に患者を知る努力と,患者から教えてもらうという謙虚な姿勢で患者の存在そのものと向かい合うことが,その人らしさの根源を知るための第一歩だと考える.その人らしく生きる源である自己の価値が見出せるように患者の内省を助ける存在となることこそが,その人らしさを支援することであると考える.
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