Japanese
English
誌上シンポジウム 原発巣別転移性骨腫瘍の治療戦略
乳癌骨転移
Breast Cancer Bone Metastasis
片桐 浩久
1
Hirohisa KATAGIRI
1
1静岡県立静岡がんセンター整形外科
1Department of Orthopaedic Surgery, Shizuoka Cancer Center
キーワード:
骨転移
,
bone metastasis
,
乳癌
,
breast cancer
,
放射線治療
,
radiation therapy
Keyword:
骨転移
,
bone metastasis
,
乳癌
,
breast cancer
,
放射線治療
,
radiation therapy
pp.871-879
発行日 2018年10月25日
Published Date 2018/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408201189
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乳癌は骨転移の原発として肺癌に次いで多い.他の癌と異なり,エストロゲンやプロゲステロンのレセプターやHER 2といわれるがん遺伝子を調べることによって治療効果や予後が予測できる.放射線治療に対する反応は良好で,一時的な除痛だけではなく骨の再生も期待できる.そのため脊椎転移では,麻痺がない段階で適切な放射線治療を行い,対麻痺を予防することが最も有効な治療法である.長管骨の切迫または病的骨折では,予後が短い症例は内固定と放射線治療が第一選択となり,長期予後が予想される症例では3年以上の生存は稀ではないので,病巣部を切除し人工骨に置換することが望ましい.骨修飾薬(bone modifying agent:BMA)の投与により,骨折や脊髄損傷のような骨関連事象は減少するが,なくなるわけではない.乳癌骨転移は全身疾患であるため定期的に経過観察を行い,次に起こる事象を上手に回避することも整形外科の役割である.
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