知っておきたい! がんサポーティブケア
5.がん疼痛
松本 禎久
1
1がん研究会有明病院 緩和治療科
キーワード:
がん疼痛
,
痛みの評価
,
薬物療法
,
非薬物療法
,
ケア
Keyword:
がん疼痛
,
痛みの評価
,
薬物療法
,
非薬物療法
,
ケア
pp.504-508
発行日 2025年5月15日
Published Date 2025/5/15
DOI https://doi.org/10.32118/cr034050504
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はじめに
がん疼痛はがん患者を苦しめる頻度の高い症状の1つであり,近年のメタアナリシス 1)においても高い有病率が報告されている(表1).コントロールのできていない痛みは,患者にとって身体的な苦痛であるばかりでなく,日常生活動作を制限し社会活動や精神心理面にも負の影響を与えて,生活の質や治療アドヒアランスを低下させ得る.わが国における最近の遺族調査においても,痛みの治療はいまだ十分ではなく改善を図る必要があると報告されている 2).
がん患者にかかわるすべての医療者は,がん疼痛についての概要を理解しておく必要がある.がん疼痛のマネジメントにおいては,痛みの適切な評価に基づいて,痛みの原因や病態,痛みに影響を及ぼす因子等を考慮したさまざまな治療やケアを組み合わせて提供することが重要である(図1).

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