特集 痛みで困ったとき
痛みの薬物療法の進歩
鎮痛薬―最近の進歩
井関 雅子
1
1順天堂大学医学部麻酔科学・ペインクリニック講座
キーワード:
非がん疼痛
,
オピオイド
,
痛みの評価
Keyword:
非がん疼痛
,
オピオイド
,
痛みの評価
pp.1005-1007
発行日 2011年12月15日
Published Date 2011/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414102368
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身体の疼痛は,痛みの発生機序から,侵害受容性疼痛(侵害受容器を刺激することにより痛覚伝導路を通して脳に痛みが伝わる)と,神経障害性疼痛(末梢・脊髄・中枢神経系の一部または全体において,神経変性,・断裂・損傷・虚血により生じる痛み)に分類される.実際には,両者の痛みが混合している混合性疼痛(J1)も存在する.薬理学的には,それぞれに有効性の高い薬剤が異なるため,鎮痛薬を選択する際には,あらかじめ患者のもつ痛みの種類を考慮する必要がある.さらに,痛みは「不快な感覚と情動体験」と国際疼痛学会で定義されているように,心理・社会学的な側面からも影響を受けやすいため,総合的な評価をして,適切な治療選択を施行することが望まれる.そのなかで,この数年の間に使用が可能となった鎮痛薬について紹介する.
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