特集 痙縮治療最前線
第2章 併用療法
Column チーム医療としての多職種連携―痙縮治療の評価について
藤澤 大介
1
,
武田 明
1
,
田津原 佑介
1
,
幸田 剣
2
1社会医療法人三車会貴志川リハビリテーション病院
2和歌山県立医科大学付属病院リハビリテーション医学講座
pp.1303-1305
発行日 2024年11月25日
Published Date 2024/11/25
DOI https://doi.org/10.32118/cr033131303
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はじめに
痙縮は,中枢神経系の損傷による筋肉の過度な緊張状態であり,脳卒中や脊髄損傷等の患者によくみられる.痙縮は患者のADLやQOLを低下させるため,さまざまな痙縮治療が考案されてきた.その1つであるボツリヌス療法が推奨されている.ボツリヌス毒素制剤を直接痙縮筋に注射し,筋収縮を一時的に抑制することで患者の機能改善と疼痛の緩和につなげる治療法である.この治療法は他のリハビリテーション手法(運動療法や装具療法等)との併用療法で,治療の総合的な効果を高める.当院では,医師,理学療法士,作業療法士,看護師等が協力し,総合的な治療計画を立案・実施している.多職種連携により,各専門職の知識と技術が集約され,患者に最適な治療が提供される.
本稿では,痙縮の程度や治療効果の確認に活用できる評価方法としてModified Tardieu Scale(MTS)と二次元動作解析ソフトKinoveaについて簡単に紹介し,実際に活用した事例を交えて紹介する.
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