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内容のポイント Q&A
Q1 痙縮の臨床的な評価には何があるか?
痙縮の臨床的な評価には,痙縮そのものを評価しようとするModified Ashworth Scale(MAS)やModified Tardieu Scale(MTS)が用いられることが多い.脊髄レベルにおける興奮性を表す指標としてH反射や相反性抑制等を測定する電気生理学的評価が用いられることもある.その他,痙縮の変化により二次的に変わり得る関節可動域(range of motion;ROM)やDisability assessment scale(DAS),下肢加重検査,さらには三次元動作解析や超音波による筋肉の構造評価等が用いられる.
Q2 代表的な徒手的評価手法の特徴と今後の課題は何か?
一般的に徒手的評価法としてModified Ashworth Scale(MAS)やModified Tardieu Scale(MTS)がよく用いられている.MASは簡便に評価可能であるが,主観的な評価であるため信頼性に疑問を呈する報告もある.また日常生活動作(activities of daily living;ADL)に影響する動作時の筋緊張評価には適していない.MTSは筋緊張亢進に関与する反射性の要素と非反射性の要素を分けて評価しようとしている点が特徴であるが,評価筋ごとに測定方法が異なっており,日常的にはやや使用しづらい.MAS,MTSとも信頼性,妥当性について肯定的な報告が多く今後も使用されるものと思われる.
Q3 客観性,再現性が高い評価手法の特徴と今後の課題は何か?
痙縮そのものの評価ではないが,定量的な評価が重要と考えられ下肢加重検査,三次元動作解析,超音波エラストグラフィー等の機器を用いた手法が客観性のある評価になると思われる.信頼性,妥当性の評価にはさらなる検討が必要であり,機器購入のコストが汎用の妨げになるが,今後有望な評価手法と考える.
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