焦点 C.T. Beck氏の研究から考える 看護における研究と方法
量的研究と質的研究
「概念」の数量化―尺度開発の基本的な考え方
髙木 廣文
1
1東邦大学看護学部
キーワード:
尺度化
,
概念
,
測定
,
信頼性
,
妥当性
Keyword:
尺度化
,
概念
,
測定
,
信頼性
,
妥当性
pp.399-406
発行日 2011年7月15日
Published Date 2011/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681100547
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量的研究の基礎
測定について
ある現象について,量的研究を行なう場合,何はともあれ「数値によるデータ」を得る必要がある。当たり前すぎて,考えたことがない研究者も多いと思うので,まず「測定」ということについて考えてみたい。
身長や体重を測るといった場合,身長ならば身長計で,体重ならば体重計で測ることができるのだが,実は,身長と体重では測定方法に大きな違いがある。身長の測定は,長さを測るための「ものさし」で,身体の最長の部分を測ることでデータを得ることができる。しかし,体重の測定は「重さ」を測らなければならないので,そのような方法で直接測ることはできない。例えば,天秤のように梃子の原理を使ったり,バネを使って重さを長さに変換して測っている。血圧などの生理学的な検査値も同様にして,すべて特定の反応などを利用して,一次元の長さに変換してデータを得ている。
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