リハビリテーション関連職の現状と展望
5.薬と生活をつなぐ唯一の職種となるために,薬剤師とリハビリテーションとの連携
中道 真理子
1
,
武田 泰生
2
1社会医療法人 原土井病院 薬剤部
2一般社団法人日本病院薬剤師会会長
キーワード:
リハビリテーション薬剤
,
生活モデル
,
生活機能分類(ICF)
,
リハ薬剤マネジメント
Keyword:
リハビリテーション薬剤
,
生活モデル
,
生活機能分類(ICF)
,
リハ薬剤マネジメント
pp.913-917
発行日 2024年8月15日
Published Date 2024/8/15
DOI https://doi.org/10.32118/cr033090913
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はじめに
これからの薬物療法には生活を意識した支援が必要である.そのためには薬剤師とリハビリテーション(以下リハ)職種との協働が必要不可欠である.薬物療法は,医師による病気の診断があり,処方により開始される.薬剤師は処方の内容を鑑査したのちに調剤し,患者に薬を提供する.提供された薬の効果の判定や有害事象の有無を観察したのち薬物療法が落ち着いてくると薬剤師の介入は終了する.このような薬剤師のかかわりは疾患モデルを主体とした薬物療法であった.疾患モデルでは,病気を治すこと,命を救うことを目的としてきた.しかし,薬物療法の大半は内服治療であり,食事と同様に生活の中に存在する.特に超高齢社会を迎えた現在では,いくつかの病気や障害を抱えて生きている方も少なくない.急性期治療を要している原因疾患だけではなく,長期的に薬物療法管理により,必要な疾患を持ちながらいかに幸せに日常生活を送れるかが重要である.したがって,生活モデルを考慮した薬物療法が,病気や障害を抱えて生きる方の健康状態の支援となる.薬剤師は医療の視点に偏る傾向にあるが,リハ職種は生活の視点を得意としている.リハ職種との対話を増やし,薬剤師の職能に生活の視点を身近なものにする必要がある.
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