特集 人口高齢化と病院医療
生活モデルに基づくヘルスケア再編の射程
猪飼 周平
1
1一橋大学大学院社会学研究科
キーワード:
地域包括ケア
,
生活モデル
,
社会的排除
,
QOL(quality of life)
,
ソーシャルワーク
Keyword:
地域包括ケア
,
生活モデル
,
社会的排除
,
QOL(quality of life)
,
ソーシャルワーク
pp.18-23
発行日 2014年1月1日
Published Date 2014/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541102690
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2010年に上梓した『病院の世紀の理論』において,筆者は,次代のヘルスケアシステムがより地域的かつより包括的なシステムという特徴を帯びることは歴史の必然であると主張した1).以降,筆者は,2012年度来本格的に推進されるようになった「地域包括ケアシステム」に対して社会理論的基盤を与えた研究者という評価を受けるようになっているようである.ただ,次代のヘルスケアが地域包括ケア的なものとなるという筆者の主張と,現実の政策として推進されている「地域包括ケア」との間には,観点の違いがある.
もちろん,筆者は現在推進されている政策の重要性についても理解しているつもりである.ただ,厚生労働省や政策の土台を提供した地域包括ケア研究会と筆者とでは,本質的な部分で理解を異にする部分がある.それは,ケアシステムが地域包括ケア化することを必要とする根拠に関する部分である.
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