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特集 各種障害を有する小児に対する支援機器のあり方と可能性
動くことは学ぶこと─身体に不自由がある子ども達にとっての電動移動機器とは
Power mobility deice for children with physical disabilities. ─Driving to Learn─
高塩 純一
1
Junichi Takashio
1
1びわこ学園医療福祉センター草津
キーワード:
肢体不自由児
,
電動移動機器
,
認知発達
,
自己有能性
Keyword:
肢体不自由児
,
電動移動機器
,
認知発達
,
自己有能性
pp.521-527
発行日 2024年6月15日
Published Date 2024/6/15
DOI https://doi.org/10.32118/cr033060521
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Q1肢体不自由のある子ども達が求める移動支援機器の特徴とは?
乳幼児期からの使用が可能であることが重要である.また,室内使用が主であるため,機器は低出力である必要があり,加えて他の子ども達との接触事故防止策が重要である.さらに,本人の座位保持椅子との統合が重要であり,姿勢の安定性を確保しつつ練習することが,姿勢運動発達の側面からも重要である.
Q2電動移動機器導入の意義・効果は?
電動移動機器の導入は子どもの発達過程において自己主導的な移動(self-produced locomotion;SPL)をもたらす手段の選択肢になり得る.加えて機器使用を重ねるにつれ発声を伴う要求や提案に対する拒否等自己主張が増え,周囲はこれを子どもの明確な意思表示の現れと受け取り尊重することで接し方を変える.
Q3症例提示
福山型筋ジストロフィーの子どもをもつ母親の語りを通して,小児リハビリテーションのあり方を再考する.
Q4移動支援機器に期待される将来像は?
将来的には,乳幼児期から移動支援機器を使用することが一般的になり,重症心身障害児でも自己の動きに挑戦する機会が保障される社会を構築することが期待される.これは,認知発達の観点からも重要であり,発達保障に寄与するものと考えられる.
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