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特集 地域における障害者の進路
東京地区における肢体不自由養護学校高等部卒業生の進路
How Do the Physically Handicapped Youths Spend Their Daily Lives after High School Age: Recent Tendency in Tokyo Metropolitan Area.
児玉 和夫
1
Kazuo Kodama
1
1心身障害児総合医療療育センター
1National Rehabilitation Center for Disabled Children
キーワード:
肢体不自由児
,
養護学校高等部
,
進路
Keyword:
肢体不自由児
,
養護学校高等部
,
進路
pp.651-657
発行日 1989年9月10日
Published Date 1989/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552106116
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はじめに
身体障害者の雇用状況は,中枢神経系障害の場合好景気下にあってもかなり厳しいといえる.かつては肢体不自由養護学校高等部卒業生はこの厳しさに直面しながら就職の路を探っていった.しかし近年,とりわけこの5年間で状況は大きく変化してきた.昭和54年から全国で始まった全員就学・養護学校義務化は東京都にあっては昭和49年から開始されており,以後次第に重度・重複障害児が養護学校在籍児の大半を占めるようになってきたが,その傾向は高等部にも及び,昭和50年代末以降になると卒業生に占める重度児・重複障害児の割合が急激に増大するようになってくる.それとともに,進路先も就労を前提にした段階から,日常生活を家庭外で送る場所を探す,という段階に移り,労働の場所の拡大より地域福祉施策の充実へと課題も変化してきているようである.ただし,この変化にはかなりの地域差があり,全国的にみると,まだ就労可能な生徒を主体にしている養護学校が多いが,いずれは同じような状態になっていくと思われる.今回は,とりわけこうした傾向が顕著に出現している東京都内の養護学校高等部(今回は都立北養護学校)の卒業生の進路について調査し,以前の資料と比較しながら今後の課題を探ってみた.
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