一頁講座 最近の車いす
電動車いすの概念を覆す移動機器「iBOT」
秋田 裕
1
,
田中 理
1
1横浜市総合リハビリテーションセンター
キーワード:
電動車いす
,
ジャイロセンサー(I-バランス・テクノロジー)
Keyword:
電動車いす
,
ジャイロセンサー(I-バランス・テクノロジー)
pp.489
発行日 2003年5月10日
Published Date 2003/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552100771
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- 文献概要
インディペンデンス・アイボット3000モビリティシステム(INDEPENDENCETM IBOTTM 3000 Mobility System)は,これまでの電動車いすの概念を覆す,新しい機能を備えた移動機器である.人間が持つバランス機能をジャイロセンサー(I-バランス・テクノロジー)によって再現しており,センサーが常にタイヤの位置やシートの傾きを検出することで,以下のような機能を実現させている.
特 徴
この製品は,次の4つの代表的な機能を備えている.
① スタンダードファンクション:通常の電動車いすと同様にジョイスティックを操作し,キャスタと後部駆動輪で走行する.
② 4輪ファンクション:キャスタを使用しない4輪駆動によって,砂地,草地,砂利道などの不整地走行,8度までの坂道走行,10cmまでの段差昇降が可能である.坂道と段差ではジャイロセンサーが働き,矢状面での座席角度は常に水平に保たれている.
③ 階段昇降ファンクション:階段の手すりにつかまり,前後への体重移動をすることによってクラスタ(前後の駆動輪セット)を回転させ,階段を昇降する.自力でこうした動作ができない場合は,介助者が後部のアシストハンドルを前後に操作して階段を昇降する.
④ 2輪バランスファンクション:ジャイロセンサーの働きで2つの駆動輪で走行できる.高い場所にあるものを手にとったり,立っている人と同じ目の高さで移動,会話ができる.
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