スポット
食べる順番を活用する食事療法の実用化に向けて
山崎 裕自
1
Yuji Yamazaki
1
1関西電力病院 糖尿病・内分泌代謝センター/関西電力医学研究所 糖尿病研究センター
pp.282-284
発行日 2025年9月1日
Published Date 2025/9/1
DOI https://doi.org/10.32118/cn147030282
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はじめに
食事療法とは,本来,特定の疾患を有する人だけではなく,すべての人が健康を維持し,生活の質を向上させるために積極的に取り組むべきものである.適切な食事習慣は,生活習慣病の予防や健康寿命の延伸に寄与することが広く認識されており,疾病の有無にかかわらず,好ましい食事行動の普及が推奨される.
日常生活における毎日の食事を,食事療法としてとらえるときに課題となるのが,これまでの食習慣,生活スタイルを大きく変えないといけないケースで継続できるかという点である.そのような観点から世界的な栄養指導の潮流も大きく変化してきた.従来の栄養素管理中心の食事療法から,実際に「何を,いつ,どのように食べるか」といった食事パターンや食行動全体に着目するアプローチへと移行している.個々の栄養素量の細かな調整以上に,日常生活に取り入れやすい食べ方やタイミングの工夫を重視することが推奨される.

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