管理栄養士にもできる! オーラルフレイル予防に向けた口腔トレーニングのすすめ〈後編〉
やってみよう! オーラルフレイル・誤嚥性肺炎予防をめざしたトレーニング
-応用編
兼岡 麻子
1
Asako Kaneoka
1
1東京大学医学部附属病院 リハビリテーション部 言語聴覚療法部門
pp.276-280
発行日 2025年9月1日
Published Date 2025/9/1
DOI https://doi.org/10.32118/cn147030276
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はじめに
前編では,オーラルフレイルの判定方法や基礎的なトレーニングについて解説しました.今回はその応用編として,口腔機能のみならず摂食嚥下機能全般の維持・向上を図るための筋力増強トレーニングを取り上げます.さらに,誤嚥性肺炎のリスク低減をめざした呼吸筋トレーニングについても解説します.
摂食嚥下機能にかかわる筋力増強訓練の主なターゲットは,舌筋,咽頭収縮筋,舌骨上筋群です(図1).舌筋は,食塊の形成や口腔から咽頭への送り込みを担い,咽頭収縮筋は咽頭から食道へ食塊を移送する役割を果たします.さらに,舌骨上筋群は,嚥下時に舌骨と喉頭を挙上させることで喉頭を防御し,同時に食道入口部を開大させて食塊の通過を促します.これらの筋力が低下すると,食物は口腔内や咽頭に残留しやすくなり,また,誤嚥や窒息のリスクが高まります.

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