連載 EBN実践につなげる! 栄養疫学研究最新トピックス③
フードリテラシーと食事の質
村上 健太郎
1
Kentaro Murakami
1
1東京大学大学院 医学系研究科 公共健康医学専攻 社会予防疫学分野
キーワード:
食事ガイドライン
,
慢性疾患
,
知識
,
技術
,
行動
,
リテラシー
,
疫学
Keyword:
食事ガイドライン
,
慢性疾患
,
知識
,
技術
,
行動
,
リテラシー
,
疫学
pp.494-499
発行日 2025年4月1日
Published Date 2025/4/1
DOI https://doi.org/10.32118/cn146040494
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食事の重要性
不適切な食事摂取は,現代社会における総死亡のかなりの割合(22%)を説明すると推定されている1).よって,人々の食事を栄養学的に考えてよりよい方向に向かわせることは全世界共通の喫緊の課題である.たとえば,米国では5年に1度のペースで,とくに慢性疾患と食事因子との関連に関する科学的知見を網羅的にまとめたうえで「アメリカ人のための食事ガイドライン(Dietary Guidelines for Americans)」2)が策定されている.また,このガイドラインをどの程度順守できているかの指標として,健康食インデックス(Healthy Eating Index)が公表されている(最新版は2020年版;表1)3).ちなみに,日本人における有用性もすでに検証されており,健康食インデックスが高い人ほど,食物繊維や主要なビタミン・ミネラル類の摂取量が多く,飽和脂肪酸,添加糖類,ナトリウムの摂取量が少ないといった,全般的に好ましい食生活を送っているということが明らかになっている4).

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