学校給食に学ぶ 食品ロス削減のコツ―「2R・3R」の視点から④〈最終回〉
調理の段階におけるReuseの視点からの食品ロス削減
海老原 誠治
1
Seiji Ebihara
1
1いただきます.info/三信化工株式会社
pp.766-767
発行日 2024年11月1日
Published Date 2024/11/1
DOI https://doi.org/10.32118/cn145060766
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リサイクルの振り返りとそのデメリット
昨今,非常によく耳にするリサイクル(Recycle)であるが,3Rのなかではもっとも効率が悪いとされている.それは,リサイクルを繰り返すほど,重複して資源やエネルギーを消費するためである.
たとえば,残菜を堆肥化する食品リサイクルでは,食料の生産に必要とした水,エネルギー,手間と,作物へ使う堆肥の生産に要する資源,エネルギー等も無駄になり,さらに,残菜のリサイクル工程では堆肥へ加工するために重複して資源エネルギーが消費される(図1).仮に,堆肥の生産が目的であれば,食料生産を経由する必要はない.また,リサイクルには,以下のデメリットも一般的に存在するため,推進には留意を要する.
①リサイクル製品の品質の低下・劣化
再処理過程での異物混入や,品質の低下や損失.
②誤った消費者意識の醸成
ゴミの分別が進んだ日本においては,リサイクルが過剰に評価される傾向が高く,「リサイクルされているから,大量消費してもよい」という意識を免罪符として,より大きな消費を誘発する.
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