ズームアップ
超実践的な栄養サポートと食材の“栄養価×コスト×喫食率”の追求
吉村 芳弘
1
,
嶋津 さゆり
1
,
米田 巧基
1
,
松本 彩加
1
Yoshihiro Yoshimura
1
,
Sayuri Shimazu
1
,
Kouki Yoneda
1
,
Ayaka Matsumoto
1
1熊本リハビリテーション病院 サルコペニア・低栄養研究センター
キーワード:
食事強化
,
経口栄養補助(ONS)
,
Med-Pass
,
喫食率
Keyword:
食事強化
,
経口栄養補助(ONS)
,
Med-Pass
,
喫食率
pp.774-778
発行日 2024年11月1日
Published Date 2024/11/1
DOI https://doi.org/10.32118/cn145060774
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栄養管理は医療の1丁目1番地
「食べる」ということは,単なる生命維持以上の意味をもちます.適切な栄養摂取は,病気からの回復と健康を左右する鍵です.私たちの身体は,さまざまな栄養素を適切に摂取し,同化することで機能を維持しています.たんぱく質,糖質,脂質,ビタミン,ミネラルなどの栄養素がバランスよく補給されなければ,生命活動を持続することさえ困難になります.
医療現場においても,栄養管理が治療の根幹を成します.栄養不良はさまざまな病態を引き起こし,回復を大きく阻害します.免疫機能の低下,創傷治癒の遅延,内臓蛋白の減少,筋肉量の減少,筋力の低下などが起こり,合併症発症のリスクが高まります.結果として,入院期間が長期化し,医療費の増大にもつながります.
一方で,適切な栄養管理を行えば,病気の予防や治療効果の向上が期待できます.患者の早期回復と予後改善を実現し,QOL(quality of life;生活の質)の向上にもつながります.医療の質そのものを高めるうえで,栄養は無視できない基盤です.万病に効く薬はありませんが,適切な栄養管理は多くの疾患に対して何らかの効果が期待できます.栄養管理は医療の1丁目1番地です.
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