連載 代謝からみた 身体活動&栄養のサイエンス最前線⑩
栄養・身体活動・口腔機能とフレイルに関する科学的知見
-亀岡スタディの成果から
山田 陽介
1
Yosuke YAMADA
1
1医薬基盤・健康・栄養研究所 国立健康・栄養研究所 身体活動研究部 運動ガイドライン研究室
キーワード:
亀岡スタディ
,
京都式総合型介護予防プログラム
,
栄養・身体活動・口腔機能とフレイルとの関係
Keyword:
亀岡スタディ
,
京都式総合型介護予防プログラム
,
栄養・身体活動・口腔機能とフレイルとの関係
pp.534-542
発行日 2024年4月1日
Published Date 2024/4/1
DOI https://doi.org/10.32118/cn144040534
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はじめに
令和3年(2021年)度の介護報酬改定において,口腔内スクリーニングの実施と口腔衛生管理の強化がなされるようになりました.具体的には,施設系サービスにおいて「入所者の口腔の健康の保持を図り,自立した日常生活を営むことができるよう,口腔衛生の管理体制を整備し,各入所者の状態に応じた口腔衛生の管理を計画的に行わなければならない」ことが省令で定められました.さらに,リハビリテーションの効果は患者の栄養状態に大きく左右され,栄養状態改善のためには口からの食物摂取が重要であることが指摘されていることから,近年ではリハビリテーション・栄養管理・口腔管理の一体的実施を推進していくことが強く望まれています.
われわれが京都府立医科大学の木村みさか教授の研究室・亀岡市・京都地域包括ケア推進機構のチーム体制で2011年にスタートした亀岡スタディにおいては,全国の介護予防に先駆けて,身体機能向上・口腔機能改善・栄養改善・サポーター養成の4つの柱で京都式総合型介護予防プログラムを実施し,その介入効果を1,000人規模の高齢者で検討することを目的として研究を実施しました1).
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