連載 栄養指導・栄養管理に活かしたい 食物繊維学の新常識④
食物繊維と糖尿病
濵口 真英
1
,
福井 道明
1
Masahide Hamaguchi
1
,
Michiaki Fukui
1
1京都府立医科大学大学院 医学研究科 内分泌・代謝内科学
キーワード:
グアーガム
,
イヌリン
,
2型糖尿病
,
食後血糖
Keyword:
グアーガム
,
イヌリン
,
2型糖尿病
,
食後血糖
pp.526-532
発行日 2024年4月1日
Published Date 2024/4/1
DOI https://doi.org/10.32118/cn144040526
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糖尿病とインスリン分泌・作用
糖尿病は,インスリン作用の不足による慢性高血糖を主徴とし,種々の特徴的な代謝異常をともなう疾患群である1,2).その発症には遺伝因子と環境因子がともに関与する1,2).糖代謝異常の分類は成因分類を主体とし,インスリン作用不足の程度に基づく病態(病期)を併記する.成因は,🄘1型,Ⅱ2型,Ⅲその他の特定の機序,疾患によるもの,Ⅳ妊娠糖尿病,に分類されている1,2)(表1).インスリンは膵臓のb細胞のみで産生されており,1型は発症機構として膵b細胞破壊を特徴とする.膵b細胞の破壊性病変の発症・進行の様式によって,劇症1型糖尿病,急性発症1型糖尿病,緩徐進行1型糖尿病がある.
2型は,インスリン分泌低下とインスリン感受性の低下(インスリン抵抗性)の両者が発症にかかわる.日本では糖尿病のおおむね90%が2型糖尿病と考えられている.2型糖尿病では明らかに遺伝因子があると実感されているが,その詳細は十分には解明されていない.2型糖尿病の血糖管理においては食事療法・運動療法が有効であることから,食事・運動をはじめとする生活様式が発症の環境因子になりうると考えられている.
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