連載 カンファランスで学ぶ NST難症例ケーススタディ②〈隔月連載〉
嚥下障害をきたした患者に臨床経過に応じたタイムリーな栄養療法の選択が必要であった一例
東邦大学医療センター大森病院栄養サポートチーム(NST)
キーワード:
栄養療法の選択
,
嚥下障害
,
PEG-Jの要否
Keyword:
栄養療法の選択
,
嚥下障害
,
PEG-Jの要否
pp.508-512
発行日 2024年4月1日
Published Date 2024/4/1
DOI https://doi.org/10.32118/cn144040508
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
ケースサマリー
症例は80歳代,男性.頸椎後縦靱帯骨化症(ossification of the posterior longitudinal ligament:OPLL)に対し,脊椎固定術(後方固定),椎弓形成術,後縦靱帯骨化症手術施行後,嚥下障害が出現した.嚥下障害対策チームが介入し間接訓練,直接訓練を行っていたが,経口摂取はむずかしいとの評価となり,胃瘻造設に至った.胃瘻からの栄養の開始後は嘔吐の繰り返しや誤嚥性肺炎の疑い,胆道感染症の疑いからたびたび経腸栄養が中止された.NST(栄養サポートチーム)からは,造影検査での評価やPEG-J(percutaneous endoscopic gastrostomy with jejunal extension;経胃瘻的空腸瘻)の導入を提案した.造影検査の結果,消化管の蠕動運動には問題がなく,胃瘻栄養を再開したところ嘔吐は認められなかったためPEG-Jは導入せず胃瘻からの栄養をメインにリハビリテーション病院へ転院となった.
Copyright © 2024 Ishiyaku Pub,Inc. All Rights Reserved.