発行日 2001年6月1日
Published Date 2001/6/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2001266632
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強直性脊椎骨増殖症96例を嚥下障害を有する14例(嚥下障害群),非嚥下障害群82例に分け,頸椎X線像の特徴について比較検討した.その結果,嚥下障害群は最大突出部の高さが平均16mmと非嚥下障害群の平均4mmと比べ,有意に大きかった.嚥下障害群の前縦靱帯骨化は,広範骨化群9例と局所骨化群5例に分類され,広範骨化群では骨化がC2又はC3~C7又はTh1まで存在し,局所骨化群では骨棘または骨化がC4~C6の範囲で,1ないし2椎間にかけて存在した.両群とも食道造影では,嘴状の突出部が咽頭や食道の最大圧迫部位となっており,頸椎機能撮影では約4割の症例で鳥が嘴を開閉させるように上下椎間の可動性が認められた.最大突出部の存在する脊椎高位の分布は,嚥下障害群ではC5-C6高位をピークとする頻度分布を示し,非嚥下障害群ではC3-C4,C4-C5,C5-C6の高位にほぼ均等,より上位に分布した
©Nankodo Co., Ltd., 2001