連載 Medical Nutritionist養成講座75
カテーテル関連血流感染予防対策
-輸液の無菌的管理について
井上 善文
1
Yoshifumi Inoue
1
1千里金蘭大学栄養学部 栄養学科
pp.402-413
発行日 2024年3月1日
Published Date 2024/3/1
DOI https://doi.org/10.32118/cn144030402
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カテーテル関連血流感染症(catheter-related bloodstream infection:CRBSI)の原因菌は,輸液,その投与経路である輸液ライン,カテーテル挿入部皮膚のどこからでも侵入可能なので,予防対策は,これらのすべての部位に対して講じられなければなりません.カテーテル皮膚挿入部の消毒およびドレッシング管理,輸液ラインの管理については,すでに説明してきました.
末梢静脈栄養(peripheral parenteral nutrition:PPN)輸液,中心静脈栄養(total parenteral nutrition:TPN)輸液はアミノ酸が配合されているので,糖電解質輸液中よりも微生物がはるかに増殖しやすいという性質があります.その性質を理解しておくことは,CRBSI予防対策としてきわめて重要です.
今回は,輸液の汚染と感染について概説します.輸液を無菌的に管理することは,非常に重要な,基本的なCRBSI予防対策です.輸液が汚染すれば,輸液ラインやカテーテル皮膚挿入部の管理をいくら無菌的に実施しても,CRBSIを予防することはできません.
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