連載 Dr.雨海の男性臨床栄養学㉖〈隔月連載〉
グルコースの逆襲(2)
-窒素出納と侵襲
雨海 照祥
1
Teruyoshi Amagai
1
1滋慶医療科学大学医療科学部
pp.415-423
発行日 2024年3月1日
Published Date 2024/3/1
DOI https://doi.org/10.32118/cn144030415
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人の命を奪った人間を救う医療
その是非が議論される
時代に翻弄される医療の振れ幅
90%を超える信じ難いほどに広い熱傷面積を負った ある事件の被告人の治療にあたり,何十回に及ぶ自己皮膚移植の培養と移植.
熱傷部位から漏出する体液,ビタミン,ミネラルに見合う 大量輸液.
予想外に大きな消費エネルギーと窒素喪失に対する栄養療法のあり方.
主治医が語った その医療の果てしない意義と課題1,2).
医療とはいったい何なのか.
傷病兵に対する 敵味方を問わない 中立的な医療の開祖とされる赤十字社の活動にも通じる すべての人への慈愛.
多くの人の命を奪う 刑法上の罪.
砂漠の砂のように多くの人の命が吹き飛んでいく戦争の罪3),*1.
いつもと変わりなく過ぎている 日常と同時並行の 同じ時間の中で進む罪にさえ,寄り添って たゆまず営まれ続ける医療.
私たちは 同じ道を 行ったり来たり
絶望と希望の ブランコの上
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