スポット
妊娠後骨粗鬆症の発生メカニズムと治療について
尾臺 珠美
1
,
寺内 公一
1
Tamami Odai
1
,
Masakazu Terauchi
1
1東京医科歯科大学 茨城県地域産科婦人科学講座
pp.173-175
発行日 2024年2月1日
Published Date 2024/2/1
DOI https://doi.org/10.32118/cn144020173
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はじめに
妊娠後骨粗鬆症(pregnancy and lactation-associated osteoporosis:PLO)は,若年女性が妊娠期または授乳期にはじめて脆弱性骨折を起こす比較的まれな疾患で,病態はいまだ明らかではなく明確な治療指針はない.100万人の妊婦に対し4~8人の発症頻度と報告されているが,十分な疫学的調査は実施されていない.
PLOは主に突然の腰背部痛を契機に発見され,多くは初回妊娠時の妊娠後期から産褥期に発症し,分娩前後の3カ月間に好発する.閉経後骨粗鬆症と比し多発骨折をきたしやすく,椎体骨折カスケードとして認識されており,第十二胸椎から第二腰椎に好発する.患者背景に加え,妊娠期から授乳期にかけて骨代謝に関与する複数の因子が病態に関与していると考えられている.
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