骨粗鬆症―若年性特発性骨粗鬆症・妊娠後骨粗鬆症を含む―

Osteoporosis；including juvenile idiopathic osteoporosis and post-pregnancy osteoporosis

要旨：本総説は，AYA世代の骨粗鬆症の診断についてまとめることを目的とした。AYA世代が脆弱性骨折を起こしたり骨密度が低下したりしたときは，一般的な高齢者の骨粗鬆症とは違うアプローチが必要である。まず，骨量がピークボーンマスに達する18歳頃とそれ以降で診断基準が異なること，Z-scoreを用いること，必ず骨折歴やリスクとなる疾患の有無と合わせた診断になることに注意が必要である。二次性骨粗鬆症をきたす疾患を除外し，栄養などの環境の要因も探索する。それでも原因不明であれば，近年の遺伝子解析の進展により原因となる遺伝子変異が特定されやすくなっているため，活用するべきである。若年性特発性骨粗鬆症という病名は古い時代のゴミ箱的病名であり，使用する際には注意したい。AYA世代が陥る可能性のある妊娠後骨粗鬆症は，カルシウムとビタミンDをしっかり摂ることで予防したい。