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第1土曜特集 希少遺伝性疾患の最前線 科学と社会をつなぐ
希少疾患のゲノム情報の利活用とELSI(倫理的・法的・社会的課題)
Exploring the ethical, legal, and social implications of genetic information utilization in rare diseases
渡部 沙織
1
,
武藤 香織
1,2
Saori WATANABE
1
,
Kaori MUTO
1,2
1東京大学医科学研究所ヒトゲノム解析センター公共政策研究分野
2理化学研究所生命医科学研究センター生命医科学倫理とコ・デザイン研究チーム
キーワード:
ELSI(倫理的・法的・社会的課題)
,
遺伝差別
,
ゲノム医療推進法
Keyword:
ELSI(倫理的・法的・社会的課題)
,
遺伝差別
,
ゲノム医療推進法
pp.968-972
発行日 2026年3月7日
Published Date 2026/3/7
DOI https://doi.org/10.32118/ayu296100968
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国内で希少疾患のゲノム情報の利活用が推進され,データ利活用の基盤整備が行われている状況に伴い,2023年に「ゲノム医療推進法」が施行された.現在,2025年11月に閣議決定された「ゲノム医療施策に関する基本的な計画」に基づき,ゲノム情報に基づく差別や偏見の防止のための取り組みが開始されている.一方,2000年代から早期に遺伝差別禁止法制を整備してきた諸外国でも,既存の規制が及ばない領域での新たな課題が生じている.また,AI技術の導入や,産業界も含めた国際的な幅広い利活用の促進は,従来は想定されていなかったゲノム情報のプライバシーリスクの懸念に関する議論を生じさせている.本稿では,希少疾患領域のゲノム解析研究の推進と法整備の状況を概観しながら,ゲノム情報に基づく差別・偏見への対処などをはじめとするELSI(倫理的・法的・社会的課題)について整理し,今後の課題について考察する.

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