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特集 未病の科学
Ⅲ.未病研究の将来に向けて
未病研究の進展に伴う倫理的・法的・社会的課題(ELSI)
The ELSI faced by the progress in study of pre-illness state
飯島 祥彦
1,2
Iijima Yoshihiko
1,2
1藤田医科大学医学部生命倫理学
2藤田医科大学橋渡し研究支援人材統合教育・育成センター
キーワード:
未病
,
データベース
,
DNB理論
,
数理解析
,
インフォームド・コンセント
Keyword:
未病
,
データベース
,
DNB理論
,
数理解析
,
インフォームド・コンセント
pp.170-174
発行日 2023年4月15日
Published Date 2023/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425201666
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要約 ムーンショット目標2「複雑臓器制御系の数理的包括理解と超早期精密医療への挑戦」では,数理的アプローチを駆使し,新たなバイオマーカーを探索し,未病状態を特定し,発症前の未病状態での超早期精密医療の実現を目指すものである。疾患発症前の未病状態を正確に検出し発症を予防できれば,一般市民の疾患に対する行動変容が促される可能性がある。すなわち,疾患が発症,確定診断がされてから医療保険で治療を行うという現在の医療から,現時点では医療保険でカバーされていない未病状態での疾病の発症予防をするという行動をとるようになることで,疾患概念を変えさせる可能性がある。一方,未病状態がいまだ一義的な概念ではないことによる混乱,個人情報の非医学的利用,未病状態と判断されることによる差別などに対応する必要に迫られることになる。
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