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第5土曜特集 生活習慣病の克服に向けたゲノム医療――ゲノム医科学の進展と精密医療の実現
総論
ゲノム医療の倫理的・法的・社会的課題
Ethical, legal, and social issues in genomic medicine
加藤 和人
1
,
相澤 弥生
1
Kazuto KATO
1
,
Yayoi AIZAWA
1
1大阪大学大学院医学系研究科 医の倫理と公共政策学分野
キーワード:
倫理的・法的・社会的課題(ELSI)
,
ゲノム情報の保護
,
ゲノムデータベース
,
結果開示
,
遺伝カウンセラー
Keyword:
倫理的・法的・社会的課題(ELSI)
,
ゲノム情報の保護
,
ゲノムデータベース
,
結果開示
,
遺伝カウンセラー
pp.369-373
発行日 2021年7月31日
Published Date 2021/7/31
DOI https://doi.org/10.32118/ayu27805369
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ゲノム医療は個別化医療を進めるために中心的な役割を担う分野であり,日本でも近年,国をあげて推進されている.すでに進みはじめているがんや難病に加えて,生活習慣病の領域でも今後はゲノム情報を利用した医療が進むと期待されている.その際に重要なのが,倫理的・法的・社会的課題(ELSI)への取り組みである.これまでも,ゲノムデータベースなどのゲノム情報を保護しながら利活用するための制度や仕組みづくり,ゲノム解析結果の開示の進め方など,さまざまな課題への具体的な対応方法が検討されてきたが,時代の変化に合わせ継続的な検討が必要となっている.ポリジェニックリスクスコア(PRS)が利用される場合の課題についても検討が必要となるであろう.さらには,遺伝カウンセラーの育成をはじめとするゲノム医療に携わる人材の育成も急務となっている.医療・医学の専門家が,ELSIの専門家などとともに主体的に課題に取り組んでいくことが重要である.
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