Japanese
English
連載 医療にいかす行動経済学・Vol.4
公衆衛生におけるナッジの活用
Application of nudge theory in public health
福田 吉治
1
,
杉本 九実
1
Yoshiharu FUKUDA
1
,
Kumi SUGIMOTO
1
1帝京大学大学院公衆衛生学研究科
キーワード:
ナッジ
,
行動経済学
,
公衆衛生
,
健康増進
,
健康格差
Keyword:
ナッジ
,
行動経済学
,
公衆衛生
,
健康増進
,
健康格差
pp.735-739
発行日 2026年2月14日
Published Date 2026/2/14
DOI https://doi.org/10.32118/ayu296070735
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
SUMMARY
ナッジ(Nudge)とは,行動経済学の理論や考え方をもとに,人々を強制せず望ましい行動に誘導するシグナルまたは仕組みと定義される.ナッジは社会経済的状況(SES)やヘルスリテラシーに依存せず,行動変容を促す可能性がある点で,健康格差の縮小にも寄与することが期待され,公衆衛生分野でも広く活用されるようになった.代表的なフレームワークであるEASTやMINDSPACEを参考にして,健診受診勧奨,健康増進,感染症予防,労働安全衛生などに応用されている.自治体においては,ナッジをさまざまな施策に活用しようとするナッジユニットが設立され,活発な活動が行われている.事例報告やシステマティックレビューにおいて,その有効性が示される一方,効果が限定的な場合もあり,ナッジに対する無批判の期待は望ましくない.今後は介入効果の検証とエビデンス蓄積,状況に応じたナッジの適切な活用(特に仕組み型ナッジ),そして専門職としてのナッジの知識と実践力の習得が求められる.

Copyright © 2026 Ishiyaku Publishers,Inc. All Rights Reserved.

