特集 誌上Journal Club—私を変えた激アツ論文
【教養編】
行動経済学|事前指示書の選択肢のデフォルト設定の効果を実証研究した!—意思決定支援とリバタリアン・パターナリズム
平井 啓
1
1大阪大学大学院 人間科学研究科
キーワード:
行動経済学
,
リバタリアン・パターナリズム
,
ナッジ
,
オプトアウト
,
デフォルト設定
,
意思決定支援
Keyword:
行動経済学
,
リバタリアン・パターナリズム
,
ナッジ
,
オプトアウト
,
デフォルト設定
,
意思決定支援
pp.564-566
発行日 2020年5月15日
Published Date 2020/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1429202597
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❶激アツ論文との出会い
筆者は、公認心理師として、主に急性期病院における「緩和ケア」や「認知症ケア」の心理コンサルテーションの業務に携わっている。
コンサルテーションの依頼がある事例で最も多いのは、患者やその家族の怒りへの対応だが、その次に多いのが、「治療の意思決定」に関することである。たとえば、終末期のがん患者が「自宅に帰りたい」と望んでいるが、家族がそれを受け入れる意思決定ができないという事例や、自らの予後を理解し延命治療を望まないという意向はあるが、「決める力」が十分でないため、終末期を迎えるにあたり自らの生活に関する意思決定ができない事例などである。
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