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第5土曜特集 革新する腎臓病学――臨床と研究の最前線
病因と病態解明の最前線
遺伝性腎疾患とゲノム医療
Hereditary kidney diseases and genomic medicine
蘇原 映誠
1
Eisei SOHARA
1
1東京科学大学大学院医歯学総合研究科腎臓内科学
キーワード:
遺伝性腎疾患
,
先制医療
,
個別化医療
,
慢性腎臓病(CKD)
Keyword:
遺伝性腎疾患
,
先制医療
,
個別化医療
,
慢性腎臓病(CKD)
pp.403-406
発行日 2026年1月31日
Published Date 2026/1/31
DOI https://doi.org/10.32118/ayu296050403
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遺伝子解析技術の発展により,腎疾患では遺伝子型に基づく治療選択の重要性が高まっている.アルポート症候群(AS)では,重症が予測される変異が確認された症例に対するレニン-アンジオテンシン系(RAS)阻害薬による早期介入が,一部のガイドラインに記載されるようになった.また,GLA変異によるファブリー病では,シャペロン療法などの導入判断に遺伝子診断が必要である.常染色体顕性尿細管間質性腎疾患(ADTKD)やネフロン癆など,表現型のみでは診断が困難な疾患では,遺伝子情報が治療戦略立案の基盤となる.こうした遺伝子に基づく診療の必要性は慢性腎臓病(CKD)領域でも示されており,米国の大規模解析では成人CKD患者の約1割に単一遺伝子異常が認められ,その多くは正確な診断を受けていなかった.同様の傾向は日本の解析研究でも示唆されており,原因不明CKD(CKDu)患者の一部に未診断の遺伝性腎疾患が潜んでいることが示されている.日本でも網羅的遺伝子解析システム開発による早期診断・早期治療が期待されている.

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