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第5土曜特集 革新する腎臓病学――臨床と研究の最前線
病因と病態解明の最前線
高血圧性腎障害の血管病態
-――機序と治療戦略
Vascular pathophysiology in hypertensive kidney disease
――Mechanisms and treatment strategies
長田 太助
1,2
Daisuke NAGATA
1,2
1とちぎメディカルセンター
2自治医科大学腎臓内科
キーワード:
高血圧性腎障害
,
腎内微小循環
,
血管内皮機能障害
,
レニン・アンジオテンシン・アルドステロン系(RAAS)
,
SGLT2阻害薬
Keyword:
高血圧性腎障害
,
腎内微小循環
,
血管内皮機能障害
,
レニン・アンジオテンシン・アルドステロン系(RAAS)
,
SGLT2阻害薬
pp.393-398
発行日 2026年1月31日
Published Date 2026/1/31
DOI https://doi.org/10.32118/ayu296050393
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高血圧性腎障害は慢性腎臓病(CKD)の重要な要因であり,末期腎不全への移行に深く関わる.病態の中心は腎内微小血管,とりわけ輸入細動脈における壁肥厚,硝子様変性,過度な収縮である.これらは糸球体内圧の制御を攪乱して過灌流,虚血,あるいはそれらが混在し,糸球体硬化,尿細管間質線維化を惹起させる.輸入細動脈病変の分布は糸球体ごとに偏り,蛋白尿の強さと腎機能低下が必ずしも同時に起こるわけではない.機序としては,レニン・アンジオテンシン・アルドステロン系(RAAS)の過度な活性化,過剰な酸化ストレス,一酸化窒素(NO)低下,エンドセリン(ET)-1産生増加,免疫・炎症の異常な活性化などが重層的に関与すると考えられている.臨床的には蛋白尿,推算糸球体濾過率(eGFR)低下,夜間高血圧や早朝高血圧など日内変動異常,脈波伝播速度上昇や血管拡張能低下が特徴である.治療は減塩,禁煙,減量などの生活習慣改善とともに,レニン・アンジオテンシン系(RAS)阻害薬を基盤とし,必要に応じてCa拮抗薬,利尿薬,ミネラルコルチコイド受容体拮抗薬(MRA),SGLT2阻害薬を適宜組み合わせることが必要になる.

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