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第5土曜特集 血管・リンパ管研究の最前線と治療への展開
血管疾患と血管を標的とした治療法
心血管病の炎症における酸化ステロールの分子生物学的役割の解明
The molecular biology of oxysterols
――Unveiling their role in cardiovascular inflammation
香月 俊輔
1
,
的場 哲哉
1
Shunsuke KATSUKI
1
,
Tetsuya MATOBA
1
1九州大学病院循環器内科
キーワード:
酸化ステロール
,
血管内皮機能障害
,
単球・マクロファージ
,
炎症
Keyword:
酸化ステロール
,
血管内皮機能障害
,
単球・マクロファージ
,
炎症
pp.1134-1140
発行日 2024年6月29日
Published Date 2024/6/29
DOI https://doi.org/10.32118/ayu289131134
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冠動脈疾患における脂質異常症のリスクが明らかになり,3-hydroxy-3-methylglutaryl coenzyme A(HMG-CoA)還元酵素阻害薬(スタチン)をはじめとする脂質低下薬が動脈硬化性心血管病に対する標準治療となってきた.現在の脂質低下療法の管理においてはLDLコレステロール(LDL-C)が指標とされているが,筆者らの研究グループは,酸化脂質のひとつである酸化ステロールの心血管病における役割と,コレステロール吸収阻害薬エゼチミブの酸化ステロール吸収阻害効果に着目し,冠動脈内皮機能をアウトカムとした臨床試験CuVIC Trialでその作用を検討した.また,酸化ステロールの腸管吸収と心血管病の関連について,単球・マクロファージによる炎症の観点から基礎的研究の結果を踏まえて考察した.本稿では,心血管病の炎症における酸化ステロールの役割について,最新の知見を含めて概説する.
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