Japanese
English
特集 予防医学からみた腎疾患診療
【CKDの発症・進展と合併症のリスクとされるエビデンス】
糖代謝異常 高血糖と腎障害
Hyperglycemia and renal dysfunction
坂本 昌也
1
SAKAMOTO Masaya
1
1国際医療福祉大学三田病院 糖尿病・代謝・内分泌内科
キーワード:
糖尿病性腎臓病(DKD)
,
尿中アルブミン
,
推算糸球体濾過量(eGFR)
,
SGLT2阻害薬
,
CGM
Keyword:
糖尿病性腎臓病(DKD)
,
尿中アルブミン
,
推算糸球体濾過量(eGFR)
,
SGLT2阻害薬
,
CGM
pp.847-852
発行日 2022年5月25日
Published Date 2022/5/25
DOI https://doi.org/10.24479/kd.0000000170
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はじめに
糖尿病合併腎障害の患者数は増加の一途をたどっており,今や糖尿病患者の約半数程度の患者が合併しているとも報告されている1)。そのような状況もあり,糖尿病は1998年以降はわが国の維持透析導入の原因疾患の第1位(40.7%:2020年)を占めている2)。古くから糖尿病患者において罹病期間が長くなると腎障害をきたすことは報告されている。そして,腎症をはじめとした糖尿病細小血管障害の予防として,HbA1cを6.5%以下に抑えることが臨床上重要であることが報告されてからも久しい。一方,血糖コントロールがなされていても腎障害が進行する場合もときとして見受けられる。HbA1cは良好であっても食後高血糖が著明な場合もあり,このような症例では血管内皮にダメージ・炎症が引き起こされることもわかり,食後高血糖の重要性も増している。最近では持続グルコースモニタリング(continuous glucose monitoring:CGM)の簡便な機器も出てきており,このような症例に臨床応用が可能となった。また,糖尿病性腎症の進行には一部遺伝的要素の関連も指摘されており,一度低下した腎機能は基本的に不可逆的であるため,早期発見が何よりも重要である。
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